産婦人科医 依子先生と語る「自分で治す婦人科講座」
産婦人科医の駒形依子先生と、婦人科専門の漢方薬剤師の堀江昭佳が、
西洋医学と東洋医学の両面から、病気について説明するこの講座。
テーマは「子宮腺筋症」
今回は前編につづく後編です。
◆子宮腺筋症の治療法
1.ピル
2.GnRh療法(閉経療法) ※6ヶ月毎
3.腫れてる部分を切り取るオペ ←帝王切開、半年から1年の避妊期間が必要になる
4.腫れてる子宮ごと取るオペ ←妊娠希望ならこれはしない
5.UAE(子宮動脈塞栓術) ※血流を減らす方法
- 依子
- 子宮腺筋症は、筋層の中にあるはずのない子宮内膜が入り込んで、生理の度にその内膜が厚くなり、出血して、それが内出血に変わって蓄積され、子宮が大きく硬くなっていきます。
- 依子
- 西洋医学的に治療をする場合、内膜組織を厚くしないようにする治療をします。
- 依子
- その選択肢がピル。ホルモンを一定にすることで、内膜が分厚くなることをおさえる。内膜が厚くならないから大して出血もしないし痛みもおさえられます。
- 依子
- もう一つが、GnRh療法(閉経療法)。体内の女性ホルモンを限りなく少なくすることで、内膜を厚くしないようにする。これは6ヶ月しかできません。6ヶ月ごとに治療をします。
- 依子
- その他に、腫れてる部分を切り取るオペ。そもそも腫れてる子宮ごと取る手術があります。
- 依子
- 場合によっては、子宮内膜症でも、UAE(子宮動脈塞栓術)といって、子宮に行く血液を減らす方法があります。血液の中にホルモンが含まれてるから、血流を減らせばホルモンも減って、内膜も厚くならないのです。
- 依子
- 主に、こんな感じですね。赤ちゃんを希望するかどうかで変わるんですけど。赤ちゃんを希望する人には、子宮ごと取る手術は勧めません。ただ、腫れてる部分を切り取った場合は、必ず帝王切開になります。さらに、半年から1年未満の避妊期間が必要になります。
- 依子
- 閉経療法は、閉経間近の人に勧めることが多いですけど、20代30代でも、あまりに症状がひどければ、半年やって一時的に腫れないよう制御して、半年後また生理が回復するかどうかを様子見ながら、半年やって、半年休んで、また半年やってとか。
- 依子
- 最初に閉経療法をして、思いっきり子宮の血流を少なくした後にピルを飲んで持続させる、という風に合わせ技で使ったりします。
- 依子
- 今すぐ妊娠を希望しないで、生理が来る度のたうち回るくらい痛いなら、ピルを使って過ごすのも一つです。妊娠するまでピルを飲まなかったら、痛みに耐えながら子宮がどんどん腫れていって、その分古い血液がたまってしまいます。
- 依子
- 古い血液って冷たいんです。痛みに耐えながら古い血液ためていったら、子宮は冷えるし固くなるし、着床率は下がるし。
- 依子
- 一部だけ腫れているならそこだけ切り取ればいいけど、全部腫れてる場合は全部取らなきゃならなくなるので、その場合はホルモン療法を勧められます。
- 依子
- 今はピルがあるので、昔ほど、腫れてる部分を切り取る手術を提案されることはないと思う。
◆子宮腺筋症の人の妊娠
- 依子
- 子宮腺筋症に関しては、子宮筋腫みたいにパーツが区切られていないので場所が特定しにくいということがあります。UAE(子宮動脈塞栓術)にしても根治は難しいからこれもあんまり勧められないかな。西洋医学ならば、ピルか閉経療法が主流。でも本当は必要量出るはずのエストロゲンが出なくなるので、肌がガサガサになったり、髪の毛が薄くなったり、膣の潤いが減ったりという弊害は出るので、プラスアルファのケアは必要。
- 依子
- 漢方でいえば「血虚」になるので、漢方薬を併用して、子宮内膜症を良くするというよりは、失われているエストロゲンの部分を補う、というところを目指しながら使う、というやり方が多いかな。子宮腺筋症を良くする、という認識で保険の漢方を使うとすると、ものすごく時間がかかるんだよね。
- 依子
- 炎症が強くなってくると、ピルもやだ、あれもやだって痛みに耐えながら子宮腺筋症に耐え続けることになるので、内膜組織が出血して炎症を起こし、腸とか卵巣とかが、そっと手を伸ばして……癒着を起こすんですよ。組織と組織がね。その癒着部分がすっごく固くなるの。ほんっとに固いの。メスじゃないと切り取れないくらい固いのね。
- 依子
- 子宮と卵巣って、おなかの中で膜に包まれてほぼ真ん中にあるようにはなっているけど、便の状態とかで前にも後ろにも右にも左にも傾くのね。だから子宮と卵巣はどこにあっても問題ないの。普通なの。ど真ん中にある人って少ないんです。だから癒着は、おなかを開いてみないとわからない。癒着を防ぐためにも炎症は起こしたくないじゃない?だからピルと閉経療法を勧めます。
- 堀江
- 癒着ってどうやってなるの?
- 依子
- 癒着しはじめの時は、水飴みたいに引き伸ばされるような分泌液でくっついてる。ネトネトしてるんだけど、その炎症が強くなってくると、そのまま線維化して組織の一部みたいになる。分泌物が湯葉みたいになって、ほんとに分厚い湯葉みたいになって、固まっちゃう。
- 堀江
- 手術でよく「剥がしました」って言われるけど、固くなったままなんだよね。
- 依子
- そう。
- 堀江
- 引き剥がす手術をされた後の自然妊娠率がすごい下がる気がするんだけど、実際そう?
- 依子
- それは程度によるかな。膣から採卵するから、子宮の前に卵巣があると採卵できない。だから採卵するためにも癒着をはがす、ということをやるパターンもある。
- 依子
- じゃあおなかの上から採卵すればいいじゃんってことになるけど、腸をぶっさすので、卵巣も感染を起こすし、うまく卵子が取れたとしてもうんちを通っているので、それを子宮に戻すかってなると……。前側に卵巣がある場合は、元に戻してあげるの。
- 堀江
- 「癒着剥がしました」と言われたら、患者側としたら元に戻った気がするじゃない?
- 依子
- 戻らないよ。
- 堀江
- ね!そこにドクターサイドと患者さんとのギャップをすごい感じる。
- 依子
- 「手術の影響で、また癒着する可能性はありますよ」ってお話はするけど……
- 堀江
- 多分、聞こえてない(笑)
- 依子
- うまくはがせたとしても、「その日からまた癒着していくかどうか」ということなので、その後癒着しているかどうかの評価はまたおなかを開けないとわからない。ドクターサイドとしては、「どこも損傷せずにきれいに剥がせた」というのがうまくいったという話なんだけど、患者さんは「妊娠したらうまくいった」と思うんだよね。「うまくいく」という目標点が違うのね。
- 依子
- もちろん妊娠しやすくなるための手術ではあるけれど、ドクターサイドにとってはそれが100%の目的じゃない。だけど患者さんは、「はがしたから妊娠できる、そのために剥がしたんでしょ?」と思ってしまう。自然妊娠できると思ってるから、「できない!なんでだ?」ってなる。
- 堀江
- 可能性を高める感じだよね。治療=妊娠じゃなくて、ここに行くと妊娠できるから、そこまで一つ一つ積み上げていこうよってことなんだよね。
- 依子
- そう。手術後の過ごし方もすごく影響する。子宮腺筋症がある、内膜症があるという人は、月に一回、半分以上は炎症を起こしている体なんです。他の人よりは常に炎症が起きている人なのね。そこを少しでも変えていかないと、ちょっとした手術にも過敏に反応する体になってる可能性がある。だから普通に過ごしているだけだと、精子も異物だから、炎症を起こしやすい体は異物に対する反応も過敏になりやすいの。
- 堀江
- 何もしていなくても炎症している状態なんだね、体が。
- 依子
- 炎症っていうのが、急性の炎症じゃなくて、慢性の炎症だから、基準値以下の弱い炎症なんだよね。
- 依子
- 子宮内膜症で測られる「CA125」という腫瘍マーカーも、生理中に測ると数値が上がるんですよ。内膜からでるものだから、生理中に測れば子宮内膜症じゃない人でも若干上がる。だから、これを測るんだったら排卵期に測った方がいい。生理が終わった後ね。
- 堀江
- 数値が下がった上がった、っていうのは生理が関係するんだ。
- 依子
- そう。だから仕事の都合で受診するんじゃなくて、生理の都合で受診をしないと!
- 依子
- 結局、数値が上がり続けなければ心配ないんです。
- 堀江
- そこ重要だよね。みんなデータをどう見ればいいかわからないから。
いかがでしたでしょうか?
〈前編〉〈後編〉にわけてお届けしました【自分で治す婦人科講座】〜子宮腺筋症〜
参加してくださったみなさん、
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堀江昭佳Twitter
◆産婦人科医 駒形依子先生プロフィール
山形県内の高校卒業後
H13年東京女子医科大学入学
H20年米沢市立病院入職
H24年東京女子医科大学病院産婦人科入局
H26年東京女子医科大学東洋医学研究所入局
H28年からフリーランスで活動
H30年1月こまがた医院開業