【心と体のライフスタイルカレッジ】〜セックスをまじめに考える〜
堀江昭佳プレゼンツ!
好きなひとをサロンに招いて、
みんなで学んでお話しして。
おいしいごはんを食べて笑って、
みんなで楽しい時間を過ごそう!
そんな楽しい企画が……
「心と体のライフスタイルカレッジ」
今回のゲストは、
性・セクシュアリティを扱うカウンセラーの小野美世さんです。
- 堀江
- BAR堀江って感じでいきます。
今日はよろしくお願いします!
- 小野
- 小野美世です。よろしくお願いします。
- 堀江
- 前回は同じくセックスがテーマで、わりと医学的な話が多かったんですけど。
今回は心理メインでいきましょう!
- 好きなことを話したいように話します。やっぱりお酒が合ったほうが、ね。昼からお酒の背徳感が好きなんですよ^^
◆セックスレスが原因の不倫?
- 堀江
- どうしますかね? セックスレス・不倫、どっちのテーマからいきますか?
- 小野
- どっちだろう? 不倫から?
- 堀江
- ちなみに、全部聞いていい?(笑)
- 小野
- えー? なになにー?(笑)
- 堀江
- 美世さんはそもそもどうして性のことやろうと思ったの?
あ、まず自己紹介お願いします。(笑)
- 小野
- 小野美世と申します。京都に住んでいて、カウンセラー活動を7年しています。
その前にも、ガラケーだった時代に夫婦仲相談所っていうのがあって、そこでメール相談員をしていました。
- 堀江
- メール相談の前からカウンセラーだったの?
- 小野
- カウンセラーの勉強はしていて、その当時からセックスカウンセラー、性のカウンセラーになりたかったの。
- 堀江
- なんで?(笑)
- 小野
- 性のカウンセラーになりたいから、まずは心理カウンセラーにならなきゃって思って。
- 結婚して12年になりますが、その前にお付き合いしていた人とセックスレスだったんです。
彼は過去の経験から女性不信気味になっていて、あまりそういうことはできないって言われて。
- 堀江
- でもお付き合いはしてたんだ?
- 小野
- そう。その時は私もまだ20代前半で、心理のことなんて何も知らない時で。
私は仕事では「いい子」なんだけど、その反応で恋愛では甘えまくるみたいな人だったんです。
いい子悪い子を使い分けていたというか。
- セックスも当然、私にとっては何かの発散場所で、悪い自分、小悪魔な自分を出す場所だって設定してたから、その場所を奪われたことで発狂寸前になるわけよね。
私には必要なことだったから。
- 堀江
- へ〜!
- 小野
- それで、浮気をしたんです、元カレと。
- それで、事もあろうに、元カレに会いに行ったところをなぜかその時の彼に知られて、現行犯で見つかったんです。
私がたまたまチャリンコでいくところを車に乗った彼に見つかって、あとをつけられて、携帯にかかってきて、「もしもし、どこにいるか知ってるよ」って。
- 堀江
- アハハハハハハ!(笑)
- お客さま
- こわ〜〜〜い!!
- 堀江
- 怖いけどおもしろい(笑)
- 小野
- そこで二人は鉢合わせしてしまうのね。泣いてる私の前で、二人の男性がケンカするみたいな。
- 堀江
- ケンカをやめて〜♪(笑)
- 小野
- 「殺人事件ってこういうところで起きるのかな」って。
- 堀江
- アハハハハハハ!(笑)
- 小野
- 私は当時の彼の方に連れて帰られて。
- そんなことがあったのに、その時は「セックスレスだから浮気したんだよ」って言えなかったんだよね、怖くて。許してもらわなきゃって思うだけで。
- それがきっかけで、浮気する側の気持ちと、バレるとこういう心理になって、こうなって、っていうのがわかったんです。
その後ですよ、「私なんで浮気したのかな?」って。
- 堀江
- それは初浮気?
- 小野
- 初? うーん。
- 堀江
- まあそこは、ね(笑)
- 小野
- そんな風にバレたのは初ですよ。
「私は頭がおかしくなったのかな?」って思って。
- 堀江
- それはどうして? 浮気をしたことがってこと?
- 小野
- そうそう。
根本の原因は何も解決していなくて、ふたをしただけじゃん? なのにただ許してもらおうって。
- 堀江
- そっか。セックスレスはそのままだもんね。
- 小野
- そう。
より(セックスが)できるわけなくなって。そこへ二回目の浮気が起こってしまって。
- 堀江
- セックスレスは解決してないもんね。
◆「やめたい」と思った時にとる行動
- 小野
- そう、そこで気付いてしまったんです。
「なんでこんなにやめられないんだろう?」ということに。
- 「浮気、やめたい」でネット検索したら、とあるカウンセラースクールのコラムが出てきたので、そこで学ぶことにしたんです。
- 堀江
- 「浮気、やめたい」でネット検索するんだ!? 衝撃を受けてる、今。
- 小野
- え? なんですかそれ?
- 堀江
- 自分でする行動をやめたいって思ったことがないから、すごい衝撃で!
- 小野
- 堀江さん的には「しょうがないよね」で終わるの?
- 堀江
- しょうがないよねでは終わらないけど、そこで「やめたい」で悩むんだっていうのが。
- 小野
- 過食やめたい、タバコやめたい、とかと同じかな。
- 堀江
- あ〜なるほど、たしかに。
◆「誰か相談できる人がいたらよかったのに」
- 小野
- 初めてカウンセラーさんのところに行った時、性の悩みはこんなに誰にも言えないんだって思って。
現行犯事件が起きて初めて友だち二人にだけ連絡したのね。こんなんであんなんでって、涙声で。
- 堀江
- それは何歳の時?
- 小野
- 25歳くらいかな。20代の一番不安定な時期。
それでカウンセラーになったから、その時「誰か相談できる人がいたらよかったのに」と思ったから、カウンセラーになったらいいかなって思って。
- 「セックスセラピスト」って文字を本で見つけて、欧米では夫婦二人でカウンセラーのところに行って話すっていうのを知って。だけど日本にはないじゃない?
じゃあ私がなろうって。
- 堀江
- 初志貫徹でここまで来てるんだね。すごいね!
- 小野
- 10年くらいそれが変わってない。頑固だよね(笑)
- 堀江
- すごいすごい!
- 小野
- セックスレスのテーマをやってると、その付近に絶対「浮気した」「浮気された」っていう話がくっついてくるので、自分はした側だったし。
- 堀江
- そのあたりが今でもずっと?
- 小野
- そう(笑)
- 堀江
- そういえばケンカの話、聞いたことあるね。
- 小野
- 飲み会の時にね(笑)
◆不倫の効能?
- 堀江
- ぼくは出雲大社のお膝元で不妊や婦人科の相談を受けています。
サラッと自己紹介(笑)
- 美世さんとは知り合って4,5年経つんですよ。その頃から仲良くしてもらって今に至るんですけど。
- ぼくの場合は不妊や婦人科の相談を受けていて、不倫もセックスレスもすごくよく聞く話だし、病気を抱えている人(生理痛がひどい、子宮内膜症があるなど)が多いんです。
婦人科の病気を持ってると「痛い」わけですよ、(セックスの際)物理的に痛くてできない。
- 痛いからできない、したいけどできない。不妊治療を始めるとセックスレスになりがちなんですよ。
- 夫婦関係を持ちたいのに、しなかったりできなかったりっていうお互いがいたりして。
(不倫やセックスレスは)ぼくの中で問題意識としてすごくあるかな。
- 小野
- 堀江さんの口から「不倫」って言葉がでるのは私は意外で。
- 堀江
- そう?
- 小野
- 妊活中の人でも、不倫をする……?
- 堀江
- 不倫をする人もいるし、不倫をすると妊娠したりもする。不倫相手の子供じゃなくてね。
- 小野
- うわ〜!
- 堀江
- そんな事例が1,2例じゃない。
- 小野
- その話を聞いた時に、「だろうね!」って思った。
- 妊活のセックスは目的のためにすることになるから、トキメキのかけらもないでしょ。
- 堀江
- ないよね。
- 小野
- 奥さんはトキメキ不足だけど、(不倫で)他から補うことができるでしょ? これは私の考えだけど、「そうしてでもいいから妊娠して」って思う。
- 堀江
- ぼくもそう思う。
- 小野
- 他の男性からトキメキをもらって、その状態で相手は旦那さん、という。それでいいじゃんと思う。
- 堀江
- それでもいいし、そこから離婚される方もいるし。他に好きな人ができて次へ行かれる人もいるし。
みんなそれぞれじゃない? 選択は自由だから。
結果は自分で責任を負うものだけどね。どういう形でもいいとぼくは思う。
◆セックスレス=女性としての自分に自信がない?
- 堀江
- 美世さんのところに来る相談で、一番多い相談は何?
- 小野
- 今は、既婚女性のセックスレスが背景にある不倫かな。
- 堀江
- セックスレスがベースの不倫が多い?
- 小野
- うん。
何が一番多いって、(自分がセックスを)拒否してる方も多いし、拒否される方も多いし。
- 堀江
- それは別物?
- 小野
- 私は、根っこはいっしょだと思ってるので、ごちゃまぜにして発信してるんだよね。
- 堀江
- 根っこがいっしょっていうのは?
- 小野
- 女の私に自信がない、自分の魅力に自信がない、女である自分が嫌い、だから性のことも拒否。だから自信を得るためにセックスが必要。だから拒否されると悩みになる。
- 堀江
- ほ〜。拒否されるという根っこは何?
- 小野
- 「ほらやっぱり私ってそうなんだ」って思うところかな。
- 堀江
- そこで肯定しちゃうんだ!
- 小野
- 確認作業、かな。
- 堀江
- 確認するんだ!
- 小野
- 拒否されて行為がないことで悩んでる人に、「一人でしますか?」って聞くと、「しません」って人が多いの。
- 堀江
- それは拒否されて困っている人?
- 小野
- そう。
その人にとっては性的なこと、行為そのものが大事なのだから、一人ではいっぱいしてるのかと思ったら、そうではないのね。「してません」って言われる。
- 愛されてる証拠が必要だからセックスが必要、ということなんだよね。
- 堀江
- でも、拒否されることで「私には魅力がない」って自分を責める感じ?
- 小野
- そう。
それこそ負けず嫌いじゃないけど、「男には負けないわ、私」ってずーっとやってきた人が拒否されてガーンってなる場合もありますね。
「負けたくない」って感じで。
- 堀江
- 「負けたくない」「女性として自信がない」は別物?
- 小野
- うーん、重なってるかな。男として生まれたかったって人もいるし。
- 堀江
- 根っこがそこなんだ。
- 小野
- 「いや、女だよ」って、そういう人には戦うのをやめようってアドバイスをするし、「女でもいいんだ」って思ってもらえたら何か変わるかなって思って話したり。
相手によって言うことは変わるから。
- 堀江
- だけど根っこには同じものを感じるんだね?
- 小野
- だって、セックスがなくても、何の悩みもない人もいるじゃん。
- 堀江
- いる、いる。
- 小野
- 「なんでみんなそれで悩むの?」って人もいる。だけどその人達はそれを悩みとして、テーマとして悩んでいるわけだから。
- 堀江
- セックスレスは悩みとしてあるけど、実際は別に根っこがあるんだね。
◆結婚生活が長い夫婦の場合
- 小野
- 長い年月(カウンセラーを)やっていると、メンタル面のことで今のお話みたいなことをアドバイスしていくんだけど、どうにもならない二人、というのがあって。
- 堀江
- それはどんな二人?
- 小野
- 結婚生活長い、子育て終わってる、片方は(セックスが)大事、片方は大事じゃない、っていう風になっちゃって、特に努力をする気もなく、したい方もただ純粋に「スキンシップが大事なの」って人だと、いくら努力しても……。
- 堀江
- でもさ、すごいまじめだよね? その人たちって。だっていくらでも外に求めたらいいことなのに。
- お客さま
- (笑)
- 小野
- そこまでいってる人には外に行けと、もう悩むのやめよう、外で栄養補給しようって伝える。
そういう人たちには「夫婦はこうあるべき」というのがあって。
- 堀江
- そこに愛情はあるの?
- 小野
- 家族愛はあるけど、性愛が落ち着いてきてるんだよね。
なのに夫婦の形を維持するために復活させる、その気がない人をその気にさせるのはどうなのかなって思うこともあって。
- 堀江
- 外に行けばいいのにって?
- 小野
- まだ外に行ってる方が。例えばそれが妻の方だとすると、一方的に我慢することがなくなるじゃないですか。そうすると家庭にもいい影響があるじゃないですか。
- 堀江
- なんか結局、そこでお互い「こうあるべきだ」でがんばると苦しくなるよね。
- 小野
- 苦しいと思う。
- 堀江
- 実際に外に行くとどうなる感じ?
- 小野
- 外の彼との関係性にもよるんだけど、女性の心はとても満たされて安定するんだよね。旦那さんだけに全てを求めなくなるから。
- 堀江
- もうさ、100%受け止めてくれる人なんていないもんね!
- 小野
- 今後はどんどんそうなっていくんじゃないかなって思ってます。
◆不倫のハードルが下がってる?
- 堀江
- 不倫をしてる割合ってどのくらい?
- 小野
- ドラマがあったじゃないですか、『昼顔』って。
- 堀江
- 何それ? テレビ見ないからわかんない(笑)
- 小野
- いつのドラマだったかな? 2015年くらいかな? ダブル不倫するドラマ、映画にもなったし。
- あと、SNSで出会いやすくなったり、「ママ友がしてるからすすめられた」っていう話もよく聞く。
- 堀江
- えー!(笑)
- 小野
- どんどんハードルが下がってるみたいで。2017年くらいから、既婚女性(の不倫)が増えている感じ。
- 堀江
- なんかね、タブー自体が減ってる気がする。
- 小野
- それはあると思う。
今まで言わなかった人が言うようになった。
- 堀江
- 劇的に減ってるよね、いろんなタブーが。不倫だって一時期すっごくバッシングされたじゃない? あれも一山越えたし。
- バッシングがあったことで、その後「みんなしてるんだ〜」って感じになったかなって。
◆本当の意味で「手放す」ことの大切さ
- 小野
- メッセージの内容を見ていても、気軽にカウンセラーの私にすごい情報を教えてくれるのね。そこまで書いて大丈夫?って。
- 堀江
- それは書きたいんじゃない?
- 小野
- 私は守秘義務なく、見せてもらったメッセージはブログに載せるので、それをわかってて書いてるんだろうなって思う。
- 堀江
- それはブログで知らせてあるんだもんね?
- 小野
- そうそう、ブログに載せてる。なんか、そういうメッセージが増えた気がする。
- 堀江
- 相談件数自体は増えた?
- 小野
- LINE@を1年半くらい前に始めたからかな?
- 堀江
- 悩みとして聞いていて、一番印象に残ったことは?
- 小野
- 最近だと、セックスレスのお話で、奥さんがしたい側、旦那さんはEDっぽくなっていて、できない。でも二人でいろいろな話し合いをして、何とか維持しようとしてるのね。
- 堀江
- それは夫婦関係を?
- 小野
- そうそう。よくメッセージをくださる奥さんで。
- その方がこないだ、「ずっと向き合ってきたけどもう無理だ」って。彼女は外に行きたいとか彼がほしいとは思わない方なので、「私、もうあきらめます」って旦那さんにも伝えて、二人で泣いて、失恋したみたいに大泣きして。
一生セックスはなしでやっていきますってメールが来たのね。
- すごく切なくなって、「がんばったね」ってメールを返したんです。
- そしたら、その一週間後くらいに、「旦那さんの方がEDをなんとかしようと病院に行きました」って連絡が来て、「今まで動かなかった山が動いた」って。
- やっぱり、セックスレスを悩みに持っている間って、いろんなものを見張ってるんだなって思って。雰囲気で、オーラで、エネルギーで、相手を見張ってる。
- 堀江
- うんうん。
- 小野
- その見張りがなくなったから、旦那さんはやっと自分で考えて動けたのかなって。
- 堀江
- なるほどね。
本当の意味で手放したから、ね。
- 小野
- みんなよくやるの。「これが欲しいからこれ手放します」って。
- 堀江
- わかるわかる!すごいわかる!
- 小野
- 「ダメだよそれ〜」って思う。
- 堀江
- 不妊の話だと、治療をやめると赤ちゃんができる、っていうのはすごくあるんだけど、「赤ちゃんが欲しいから治療やめます」っていう気持ちだと、赤ちゃんはできないのね。
- 人間の感情ってバランスがあるんですよ。何かに固執してるときってバトルモードなんですよ。「これが欲しい〜!」って獲物を狙う感じ。
- 小野
- ほー!
- 堀江
- バトルモードのホルモン状態と、手放してフッとなった時のホルモン状態って、絶対ちがうとぼくは思う。
女性ホルモンとストレスのホルモンって同じような場所にあるから、影響するんですよ。だからものすごくありえるなって。
- 自分の感情・力の状態が変わると、体の中で物理的に変わるとぼくは思う。
- 小野
- これはブログに書いておかないと!
- 何かに固執してる状態の時は、「負けたくない」だもんね。
- 堀江
- そう。もう一つ思うのは、「嘘から出た真」もあるよね。形から入るのもありだよね。
- 小野
- いろんなルートはあるからね。
◆小野美世さんの場合
- 小野
- なんかね、不倫の話で、少ないけど一定数あるのは、既婚者で自分の義理の兄弟とっていう。
- お客さま
- ほおおお!
- 堀江
- 夫の弟とか?
- 小野
- そうそう。いろんなところにチャンスは転がってるなって(笑)
- 堀江
- それはチャンスなんですかね!
- 小野
- 出会いはね。すごいなって思う。
- 堀江
- 美世さん自身はどうなんですか?
- 小野
- 今の旦那さんは、前の彼とセックスレスで落ち込んでる時のことも全部見て知ってるから。
- あの時の拒否される感じをもう二度と味わいたくないから、結婚してその状態(セックスレス)になったら即座に行動しようと思ってるけど。
- 堀江
- 即座に行動って?
- 小野
- 離婚するか、外に彼氏を作るか。
- 堀江
- なるほど。
- 小野
- そうしようと思ってたけど、あの時のつらい感じを思い起こさせることは、幸運にも今までないです。
- 堀江
- 結婚何年目?
- 小野
- 12年。
- 堀江
- ずーっとセックスはある?
- 小野
- あ、そんなことはない。
私も変わるんだなって。自分も変わる。
- 堀江
- ほ〜!
- 小野
- 新婚時代はやることが増えますよね。家事、仕事。すごい疲れ果てて、(セックスを)してる最中に寝てしまう、なんてこともあったり。
- 堀江
- それ、心折れる案件じゃない?(笑)
- 小野
- でもそのことでケンカになることもなく。産後は一気にしたくなくなるから、「したくないってこういう感じなんだ!」を体感したり。
- 堀江
- うん、うん。
- 小野
- その体験で、したくない側の方の相談にも乗れるようになって。
子育て中(のセックス)は、季節に1回くらいでした。ちょっと早い秋、とか。(笑)
- 堀江
- そういう時はどっちから誘うの?
- 小野
- だいたい私からだった。
- 堀江
- いい旦那さんだけど、外へとかはないの?
- 小野
- ないとは言っているけど(笑)「恋愛する気が起きなくなった」ってよく言ってます。
- 堀江
- へ〜!
- 小野
- 私はセックスレスになるのが怖いからアクションを起こすんだけど、彼はそれにちゃんと応じてくれる。断られたりはそんなになくて。自分が疲れ果ててたら無理ってなるのに、「器用なんだなこの人は」って思う。
◆一日のうち「いつどこで」セックスをするか?
- 堀江
- カウンセリングの時にね、一日のスケジュールを全部聞くんですよ。何時に起きて、何時から仕事で、朝昼晩のごはんをどんな風に食べて、夜何時に帰ってきて、とかね。
- 小野
- お〜!
- 堀江
- それを聞いてると、「(セックスは)できないよね」って思ったりする。
- 小野
- ホントに!「どこにセックス入るの?」ってね。
- 堀江
- だって、疲れ切ってるよねって思う。女性も男性も。
- パリに行ってフランスのセックス事情を聞いてきた時に、18時くらいには仕事から帰ってきて、「今日何してたの?」ってアペロ(食前酒)が始まって、ごはんが始まるのね。
「そりゃあ夫婦生活あるよね」って思った!物理的に時間があるよね。
- 小野
- ドイツとかもそうですよね。
- 堀江
- 日本とは文化が違って、セックスレスは離婚案件になっちゃう。
- 小野
- (セックスを)したくない人はどうするの?
- 堀江
- それこそセックスカウンセラーのところに行って本気で相談するの。
- 人間疲れてるとさ、生きることが優先になるからね。「寝よう」ってなりがち(笑)
- 小野
- 私は「今日か明日したいな〜」ってお昼頃にLINEをするのをオススメしてます。
- 堀江
- たしかに!「時間」ってある気がする。女性は夜が好きなんだけど、男性側は朝がいいって人が結構いる。
- 特に夫婦生活が長くなると、「朝勃ったままその勢いでしよう」って男性が結構多いの。なのに女性はそれを断る。
- 小野
- 「今から朝ごはん作るし」とかね。
- 堀江
- そうそう。男性側は「しないといけない義務感」もあってしてるのに、そこで拒否されると「もういいや」ってなりがち。
- 小野
- これは男性側から聞いたんだけど、お昼頃に前もって「今日したいという意向がある」と伝えておいてもらったら、仕事とか体の状態を調整できるって。
- 一番いけないのは、くたびれ果てて家に帰って、やっとごはん食べて寝ようって時に「しよう」って言われるパターンね。「今日はまだ終わってなかったんだ」と絶望的な気持ちになるらしい、男性側は。
- 私もそれを試したことがあって、夫からは「時間と場所の確保は大事だね」って返事が来て。
- 堀江
- 業務連絡?(笑)
- 小野
- そうそう。でもそういう風に捉えてもらった方が(セックスの)行為が起こりやすいよね。
でもそれを女性側は知らなかったり、知ってても事前に言えなかったり。
- 堀江
- いきなり言っちゃうんだね。突然なんとなく伝えて。
- 小野
- なんとなく断られて傷ついて。
- 堀江
- それはあるね。
◆セックスだって、コミュニケーション
- 小野
- もっと、コミュニケーションなんとかなるんじゃないかなーって最近ずっと思ってる。
- 堀江
- 本当にコミュニケーションだよね!
- 小野
- 女性側が肝心なことを言ってない。
- 堀江
- 夫婦の中で話せないのは「性」のところなんですよね。
でもそこに触れずにお互い勝手に想像して、妄想だけでバトルになってるから。
- 小野
- 「相手はこう思ったに違いない」とかね。
- 堀江
- そう!「本当にそう言われたの? ちゃんと聞いた?」ってカウンセリングでは確認する。
- 小野
- そういう時は、勇気を出して聞いたりするのかな?
- 堀江
- 「聞けない」って言われたら「なんで聞けないの?」って確認する。「断られたことあるの?」とかね。
- 小野
- ああ〜。
- 堀江
- でもね、すごくよくあるのが、「なんとなく聞く」の。
- 小野
- そうそうそう!
- 堀江
- いつもの日常の流れの中でさらっと聞いて、さらっと流されてチーンってなる。
- 小野
- 「拒否された」で終わっちゃう。
- 堀江
- そう。だから「大事なこと話したいから時間取って」って伝えて、話ができる状態を設定して、休みの日とか相手に余裕のある日に聞いて、ってカウンセリングでは伝えてる。
- 小野
- 「離婚話かな?」って思われたりして(笑)
- 堀江
- アハハハ!でもね、こうするとちゃんと返事が返ってくるの。
- 小野
- 女性側がちゃんと聞けば、男性側もちゃんと返してくれるのよね。
- 堀江
- 意外と、女性側が想像していなかったこと、想像よりよかったことが返ってくる確率が高い。
- 小野
- なるほど。
- 堀江
- 大事だよね、コミュニケーション。
- 小野
- 「一回言って拒否されたからもう嫌です」みたいな人がいっぱいいる。それはもったいないよね。
◆自分磨きが足りない「男性」たち
- 堀江
- 男性女性ともに年をとるじゃない?それに従って、「どうにもならない女性」ってすごく少ないと思うのね。
- 小野
- え? どういうこと?
- 堀江
- 自分の手入れを何もしてなくて、「え?大丈夫?」って言いたくなるような女性は少なくて、年をとるにつれて自分を磨く女性は多いじゃない?
- 小野
- そうだね。
- 堀江
- それに対して、男ども、ひどい!本当にね、ひどい!
- 小野
- 男性の口から聞くと印象が違うね(笑)
- 堀江
- ぼくの周りはみんなゲイなのね。こないだゲイのホームパーティをしたのね、30人くらいで。
- ゲイじゃなければ婚活市場でみんな勝てるわ、みたいな。(笑)
- お客さま
- あ〜〜!
- 堀江
- (ゲイの男性は)みんな小奇麗にしてるし、まずね、臭くない!
- お客さま
- 大事〜!
- 堀江
- 「なんなんだお前の匂いは!」っていうね!
- お客さま
- そうなの!ひどいの!
- 堀江
- 「どうやったらその匂い出せるの?」っていうね!(笑)
- 婚活市場に出てこられない男性がいるわけですよ。ぼくは小奇麗にしてるゲイをいっぱい見てるので、「普通にしてたらこうなるはずなのに」って思う。(笑)
- 小野
- そうだよね(笑)
- 堀江
- 本当になんとかしてもらいたいと思いますよ。(笑)
- 婚活の話になってね、相手がいないって女性がいてね、男性のこういういいところはあるって見つけるにしても、「クサイ」とかは嫌なんだよね。本当に、男性側の努力が足りないって思う。
- 小野
- 私も女性限定にして相談を受けてるから、男性は過去二人くらいしかいないかな。
男性に言っても、無駄な努力で終わってしまうからなんだよね。
- 女性の場合、セックスレスでつらいなら外に行きなって思うんだけど、男性から同じ内容のメールがきても、外に行きなよ、とは思わないのね。「お前のやり方が足りない!」ってなる。(女性に対して)向き合い方が足りないなって思う。
- 堀江
- いわゆるストレートの男性が優位な状態が強いなって思う。
- もともと人間って狩猟採集、農業をする前までは、男性は狩りをして、女性は木の実を集めたりしてたのね。
さて、あの時代、男女どっちの食料貢献度が高かったと思います?
- カロリーベースでいうと、圧倒的に女性なんですよ。
- お客さま
- へ〜!
- 堀江
- 狩りの場合、獲物が取れない時もあるし、安定的に常に食料を取ってきていたのは女性だったんですよ。
女性の方が絶対的に強かったんです。
- 小野
- へ〜!
- 堀江
- 人間って、猿人の時代から今に至るまで400万年経ってるのね。「ヒト」が生まれてから200万年と言われていて。そのほとんどの間が狩猟採集で暮らしていたから、その時代の習慣が強いのね。
ちなみに当時、食料を取る時間って1時間くらいだったんだって。
- お客さま
- ええっ!そんなに少ないの!?
- 堀江
- でも考えてみて、動物のこと。ずっと餌取ってます? 取ってないんですよ。取ってなくても暮らせるくらいしか人口って増えないんですよ。そうじゃないと種を増やすことができないの。
- 労働自体が人間に向いてないんですよ。これは確信してる。
8時間労働なんて人間に適していません!
- 狩猟採集時代の民族について調べると、経済格差がないから男女が平等なんですよ。だけど農業が始まってからおかしくなったのね。農業は労働しなきゃならない。畑を耕すのに力がいるでしょ。だから男性側が土地を所有する、そこで女性側が従属するようになるんですよ、経済的にね。これが間違いの始まりだと思う。
- 小野
- うん。
- 堀江
- 本当の意味で男女平等で、経済的にも平等で、どちらも依存せずにいられるなら、いやなら別のとこにいけばいいでしょ?
- 実はね、(不妊の相談の最中に)「何の経済的不安もなければ今の旦那さんがいい?」って聞くとね、「そうじゃない」っていう人がほとんどなのね。(笑)
- この状態にね、男性側が甘えてるんだと思うんだよね。それが、奥さんに向き合わない、っていう問題につながるんだと思う。
- 小野
- うん、うん。
- 堀江
- 「ベーシックインカム」ってわかります? 例えば8万円なり10万円なりを全国に配ります、っていうような制度なのね。それが世界で検討されていて。
社会福祉が進んでいるノルウェーとかだと、シングルでも子供を持てるし、離婚しても困らないのね。
- 社会福祉が進んで、ベーシックインカムが施行されたとして、その時何が起こるか?
- 子どもを持てない男性が増えるの。ここがポイント。
- 小野
- 女性は子供を持てるもんね。
- 堀江
- 要するに、離婚率は高くなるけど、結婚して離婚するじゃない? で、男性側は何回でも結婚するんだけど、選ばれない男性は一度も結婚できないのね。
- お客さま
- ホントだ!
- 堀江
- 今の社会制度は、そういう(選ばれない)男性にとっては都合がいいんだよね。
本来選ばれない男性でも今の社会制度なら選んでもらえるの。
- 小野
- すごい大事。
- 堀江
- これ記事にするの?(笑)
- 小野
- いいと思う、大事だから(笑)
- 小野
- 不倫の話を聞いてるとね、恋愛し続ける既婚男性は、ずーっと恋愛し続けるの。
- 堀江
- そうそう。
箸にも棒にもかからない男性がただただ増えてる。だから、自分をもっと磨けばいいと思うんだよね。
- 小野
- 彼らがそれに気付けばね。
- 堀江
- セックスレスとか不妊の話を聞いてるとね、やっぱり男性側があぐらをかいてますよ。これはゲイのぼくの見解。(笑)
- 小野
- そう思う。
女性の言葉を通して、パートナーが一体どういうことをしてるのかは如実に見えてくるから、本当にひどいなって思う。(男性側も)もうちょっと努力しようよって。
「どこまで女性にがんばってもらいたいの?」って思う。
- だけど、結局夫婦の問題だから、夫に私が言えるわけじゃないし。小一時間説教したいけど。(笑)
- (女性側は)がんばりすぎないでほしいなって、我慢をしすぎないでほしいなって思う。
- 堀江
- そうだよね。
- 小野
- 「これを言ったら彼を傷つけるんじゃないか?」っていうことが多いんですよ、性行為の話だと。だけど、「傷つけていいから」って言ってる。
- 堀江
- アハハハ!(笑)
- 小野
- 傷つかないと男性側だってわからないし、相手が傷つかない代わりに自分が傷だらけになるんだから。
- 堀江
- う〜ん、そうだね。
- 小野
- そういうのって、「全身血だらけで骨折だらけなのに、相手のおでこの擦り傷を心配してる」ように私には感じる。一回くらい刺したって大丈夫だよって言いたい。(笑)
- 堀江
- アハハハ!(笑)
- 小野
- 致命傷にならない傷ならいいと思うんだ。じゃないと男性は気付かないと思うから。
END
美世さん、参加者のみなさん
この度はありがとうございました!