基礎体温をチェックして不妊対策!排卵後の体温上昇がゆっくりなのは排卵障害のサイン?!

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基礎体温をチェックして不妊対策!排卵後の体温上昇がゆっくりなのは排卵障害のサイン?!

「なかなか赤ちゃんを授からない」「不妊治療を始めるべきか悩んでいる」など、不妊に悩む方の多くが基礎体温をチェックしていると思いますが、基礎体温にはいろいろなパターンがあることをご存知でしょうか?
基礎体温をつけると、「低温期が長い」「高温期が短い」などのパターンが見えてきます。
一人ひとりの体質が違うように基礎体温にも個人差があり、自分のパターンを知ることが体質改善や不妊対策にとって非常に重要です。
その中でも、今回は「排卵期から高温期への体温上昇がゆっくり」というパターンについて解説します。
このパターンは排卵障害のサインであることも多い
のですが、適切な対策をとることで体質改善・妊娠しやすい体づくりは可能です。
不妊に悩む方はもちろん、これから妊活予定という方もぜひお読みください。

基礎体温の変化で、体の中では何が起こっている?

まずは、「排卵期から高温期への体温上昇がゆっくり」という本題に入る前に、基礎体温と女性ホルモンついて簡単におさらいしておきましょう。
基礎体温は、排卵期を境に「低温期」「高温期」の2相にくっきりと分かれるのが基本ですが、低温期・高温期の長さや排卵のタイミングには個人差があり、これが少なからずその人の体調や妊娠力を反映しています。
では、基礎体温の低温期・排卵期・高温期に、体の中ではどのような変化が起きているのでしょうか?一つずつ解説します。

<低温期とは?>
月経が終了すると、卵巣では次の排卵に向けて準備を始めます。エストロゲンが分泌され、卵胞を成熟させる時期です。
<排卵期とは?>
エストロゲンの分泌がピークとなり、成熟した卵胞から排卵が起こります。 基礎体温では一時的に体温の陥落がみられ、それを境に高温期に入ります。(排卵期の体温の陥落には個人差があり、全くない人もいます)
<高温期とは?>
プロゲステロンの分泌が増え基礎体温が上昇し、通常は排卵後1〜2日で一気に高温期に移ります。プロゲステロンの作用によって子宮内膜が厚くなり、受精卵の着床と妊娠継続が可能な環境を整えます。*1

〇基礎体温と女性ホルモンの関係

次に、基礎体温と女性ホルモンの関係についてです。
基礎体温の変化には2種類の女性ホルモンが関係しており、自分の基礎体温を知ることは、卵巣での女性ホルモンの分泌や子宮の状態を知ることにつながります。

〇エストロゲン(卵胞ホルモン)
低温期に分泌量が増え、卵胞の成熟を支えます。エストロゲンの分泌がピークに達すると、脳の下垂体という部分から黄体化ホルモン(LH)が多量に分泌され、それを合図に卵胞が破けて卵子が飛び出します。
これが「排卵」です。

〇プロゲステロン(黄体ホルモン)
排卵によって破けた卵胞は黄体に変化し、プロゲステロン(黄体ホルモン)が分泌されます。プロゲステロンには体温上昇作用があるため、基礎体温は高温期に移行します。
赤ちゃんを迎えるために子宮の環境を整え、妊娠の継続を支えるホルモンです。*1

このように、基礎体温の変化は女性ホルモンのバランスによって生じるものであり、エストロゲンとプロゲステロンが正常に分泌されることで、妊娠できる環境も整うということがわかります。

出典:公益社団法人 日本産婦人科医会女性ホルモンと基礎体温の変化

〇ゆっくりと高温期へ移るパターンは排卵障害の可能性

前置きが長くなりましたが、前述の基礎体温と女性ホルモンの関係を押さえたうえで、本題の「排卵期から高温期への体温上昇がゆっくり」というパターンについてお話しします。
低温期は排卵とともに終了を迎え、通常は排卵後1〜2日で一気に高温期に移行します。*2
これは、排卵後に分泌量が増えるプロゲステロンの影響によるものです。
つまり、排卵後3日以上かけてゆっくりと体温が上昇するという人は、プロゲステロンが十分に分泌されていない可能性があります。*3
プロゲステロンが不足しているということは黄体が十分に機能せず、赤ちゃんを迎えるための子宮内膜の準備が整わない状態を意味し、医学用語では「黄体機能不全」といいます。
この病態は受精卵の着床障害につながり、もし妊娠できたとしても流産になる可能性が高くなります。
不妊や流産につながる黄体機能不全ですが、その原因はいまだ解明されておらず、治療法も確立していません。しかし、様々な研究によって黄体機能不全と卵胞の発育不全・排卵障害は密接に関係していることがわかってきました。*4
排卵障害の原因には、乳汁分泌ホルモンが亢進する高プロラクチン血症や、男性ホルモンの分泌亢進によって卵巣の表面が硬くなる多嚢胞性排卵症候群(PCOS)などがあります。
さらに、精神的ストレスや極端なダイエットによる自律神経失調、月経不順によっても排卵障害を引き起こし、不妊となることがわかっています。*5
以上のことから、排卵後に基礎体温が上がりにくいという状態は、「排卵もしくは卵胞の発育段階で問題が生じている可能性」を疑います。

〇東洋医学的・排卵障害の原因

次に、東洋医学から見た排卵障害の原因について解説します。

東洋医学には、「陰陽論」という考え方があります。
「陰」はエネルギーの凝集、「陽」は放散を意味し、このバランスによって心身の状態が正常に保たれるというものです。*6

「陰」は育てる力・生殖力に影響し、排卵の準備期間である低温期は「陰」を蓄え、卵胞を成熟させている状態です。「陰」が十分に蓄えられることで卵胞が育ち、排卵がスムーズになると考えられています。
逆に、「陰」が不足している状態では排卵がスムーズにいかず、放散できるほどのエネルギーもないため、「陽」(高温期)への転換がうまくいきません。

また、「痰湿(たんしつ)」といって、体にヘドロのようなものが溜まっている状態でも排卵障害を起こすと考えます。これは西洋医学の「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」と似た病態で、ヘドロによって卵巣の表面が硬くなるため排卵がスムーズにいかない状態です。

さらに、「痰湿」で体にヘドロが溜まると、「瘀血(おけつ)」といって「血(けつ)」が滞る状態を招きます。東洋医学でいう「血」とは、血液の成分や循環作用も含んだ広い概念で、全身の組織に酸素や栄養・潤いを与えるとされます。
排卵し、卵胞が黄体に変化するときには十分な血流が必要ですが、「瘀血」の状態では血流が滞っているため、質の良い黄体が作られません。その結果、プロゲステロンの分泌が不足し、体温上昇に時間がかかってしまうのです。
※西洋医学的にも、黄体機能と血流の関係には密接な関係があるという報告があります。*7

〇東洋医学的・排卵障害の対処法

東洋医学では、排卵障害を改善し妊娠しやすい体づくりをするために、
・陰を十分に蓄える(良い卵胞が育つ)
・痰湿を浄化する(排卵がスムーズになる)
・血の巡りを良くする(質の良い黄体が作られる)

といった対処法をとります。
病院での不妊治療を始めるべきか悩んでいる方や、すでに治療をしているけれど子宝に恵まれないという方は、東洋医学や漢方を取り入れてみるのも一つです。

<陰を蓄える>
まず、「陰」を蓄えるために一番大切なことは睡眠です。
「陰」は睡眠、鎮静、滋養といった静の活動で、自律神経でいうと副交感神経に関与します。十分な休息をとることは心身にとって最大の癒しであり、「陰」の力を高めます。
決まった時間に布団に入る・決まった時間に起きて朝日を浴びるといった、規則正しい睡眠習慣を心がけましょう。
また、血流が悪くなると浅い眠りとなり睡眠の質が低下するため、体を冷やさないことも重要です。
入浴や軽めの運動で体を温めると血流が改善し、「陰」が高まってリラックス効果が得られます。
漢方薬を使用する場合には、「補陰薬」を使用します。
代表的なものに「地黄(じおう)」といって黒豆に似た色・味のする生薬があり、実際に黒豆は「食べる補陰薬」として滋養効果のある食材です。
ほかにも、ひじき・昆布・黒ゴマなど色の黒い食材や、ごぼう・大根などの根菜類、あさり・しじみなどもおすすめです。

<浄化する>
痰湿(ヘドロ)・瘀血(血流不足)を改善する方法は、「浄化」つまりデトックスです。
痰湿によって瘀血となるため、まずは体に溜まったヘドロを浄化することが必要です。
東洋医学では、「血(けつ)」とともに生命維持に必要な水分である「津液(しんえき)」の巡りによって体の機能が維持され、体に不要なものが排出されると考えます。
この「津液」のめぐりが悪くなり、過剰に溜まった状態が「痰湿」で、浄化するためには「利湿薬」といって余分な津液を排出する漢方薬を使用します。
また、「浄化」という意味において、痰湿と便秘は深く関係しています。
便秘を改善することも重要ですので、腸内環境を整える食習慣・ストレスをためない生活習慣を心がけるようにしましょう。

このように、東洋医学的に排卵障害を改善するためには、
・質の良い睡眠(十分な休息でエネルギー補給)
・体を温める(リラックス効果)
・体内のヘドロを浄化(血流を良くする、便秘の改善)

これらを意識した生活習慣を心がけるとともに、「陰」や「浄化」を助ける漢方薬が有効です。
そして、これらの生活習慣は、いずれも自律神経と深く関わっています。女性ホルモンと自律神経は互いに影響しあっており、自律神経のバランスを整えることは妊娠力アップと不妊の改善に欠かせないのです。
東洋医学・漢方は自律神経に働きかけるものが多く、女性と漢方は相性が良いといわれるゆえんでもあります。

【まとめ】

基礎体温のパターンを知ることは、月経周期や排卵日を予測するだけでなく、体の不調や排卵障害といった不妊の原因に気づくきっかけにもなります。
ぜひ、ご自身の基礎体温をもう一度チェックしてみてください。不調や不妊の原因がつかめるかもしれません。
また、病院で不妊治療をすべきか悩んでいる方・すでに治療をしているけれど期待する結果が得られないという方は、ぜひ東洋医学・漢方を試してみてください

東洋医学は、体の自然治癒力を高めて体質・体調を改善するものです。「人の体は絶えず変化している」という考えに基づき、その時々の体調や個人の体質に応じて、適切な対処法を考えます。
とくに、女性はホルモンバランスの影響を受けて体調が変化しやすい傾向にあるため、変化に敏感な女性にとって漢方は効果を感じやすく、相性の良い治療法といえます。

最後に、西洋医学・東洋医学を問わず、妊娠しやすい体づくりの基本は「規則正しい生活習慣」です。
栄養バランスの良い食事・適度な運動・体を温める・質の良い睡眠で自律神経の働きを良くし、心身ともに快適な妊活ライフを送りましょう。

 

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【出典】

*1
新版 からだの地図帳(監修/佐藤達夫 講談社)
*2
(日本医科大学付属病院 不妊かな?と思ったら)
*3
(不妊漢方 子宝リトリート 堀江昭佳オフィシャルサイト)
*4
(黄体機能不全症の 内分泌的検討 近畿大学医学部産婦人科学教室)
*5
(不妊症O&A 一般社団法人日本生殖医学会)

*6
カラー図解 東洋医学 基本としくみ(仙頭正四郎/監修 西東社)
*7
(ヒ ト卵胞液中のhCGシグナル伝達に関与するepidermal gr・wthfactorrecept ・r(EGFR)リガン ドに関する検討 福岡大1,九大2:井上善仁1,城田京子1,深見達弥1,吉里俊幸1,四元房典1,八木裕史2,宮本新吾1,瓦林達比古1)