久しぶりのカウンセリングだったYさん。

病院で治療をはじめてから3年、

当時、Yさんが39歳になる年でした。

「はじめて体外受精をしたらダメで、
本当にへこみました・・・

ステップをあげたことで、
期待しすぎたのもあったんでしょうけど。

先生から

『この日には、陽性かどうかわかるよ』

って言われた日の3日前から2週間くらい


毎日1日3回、
検査薬で陽性がでないか
測ってたんです・・・

体外受精までしたんだから、
きっと大丈夫って思ってて・・・


本当は自然妊娠がしたかったんです。


でも、

AMH（卵巣の状態を測る検査）で
年齢にしては卵子の数が少ないって言われて

落ち込んで・・・


運動してみたり、
いろいろがんばったけど、
全然結果がでなくて・・・


人工授精をするようになって、

6回チャレンジしてダメで・・・


6回目がダメだった時に
精子と卵子が出会ってないだけで
ダメなのかもと思って


体外受精に踏み切りました。

でも、

ダメでした・・・」

Yさんの目から

ぽろぽろ、


ぽろぽろ

涙がこぼれる・・・

「泣いちゃった・・・

すみません・・・

ずっと、人前で泣かないようにしてたのに。
ダンナの前で泣いたりすると、

あの人、私以上に落ち込むんです。


だから、

涙を見せたり、
愚痴を言ったりしないようにしてました。


体外受精がダメだった時に、
ダンナに申し訳なくて・・・


『離婚しよう』


って言ったんです・・・」

ねぇ、Yさん。

どんな気持ちで


『離婚しよう』


って言ったの？


「あの人が、かわいそうで・・・

わたしと結婚しなかったら
こんなつらい思いもしなくていいし、

こどもが好きな人なのに・・・

わたしのせいで赤ちゃんと会えないと思ったら、

本当に申し訳なくて・・・」

ぽろぽろ涙がこぼれる。

そっかぁ・・・

だんなさんは、

なんて答えたの？

「『いま、十分がんばってるから、

できなくてもいいよ。

おまえと結婚したことが一番なんだから、

そんなに負担なら治療しなくていいよ』


って言ってくれました・・・」

だんなさんは、

Yさんと一緒にいられることが

しあわせなんだね。



ねぇ、Yさん。

そう言ってくれるご主人は、

全然、かわいそうじゃないと思うよ。

Yさんと一緒にいるんだもの。

ふたりで歩いてるんだもん。

「自分の気持を誰にも言えなくて・・・

だんなにも泣き顔見せれないし・・・

母に言ったら心配するし・・・


友達もみんなこどもがいるから、
なんか会えなくて・・・


でもなんか今、

泣いて、話せたら、

少しすっきりしました・・・」

だったら、よかった。

誰かに話すだけでも

楽になるもんね。


気持ち誰にも言えないと

しんどいもんね。


こうやって、

素直な気持ちを口にできたんなら、

大丈夫。


ちょっとでも楽になれたなら、

穏やかな本来の自分が戻ってくるから。


だんなさんも

ちゃんとYさんと一緒に歩いてくれてるんだから、


一歩、一歩。

進んでいけば、

大丈夫。