夫の連れ子。〜心と体のイラスト絵本 第4話〜

  • コラム

 

義理の娘がいます。


いまはこの子を見る時期なのかなぁと思うようになりました。
結婚した当初は頭ではわかってるけど、
受け入れられないこともたくさんありました。

 

わたしは初婚で、彼は再婚。

 

表面的には普通に接してたけど、全然娘のことを見てませんでした。
というよりも、夫に任せっきりで見ずだった。

この春、当時小学生だった娘が高校に入学しました。
もっと小さい頃からよく見て、関わってあげればよかった。

そんなふうに思います。
でも、


その時は無理でした。
すごく自分の子がほしかったから。

自分が今いる娘と急に一緒に住むようになって
ちゃんと関われない自分がすごく嫌でした。
自分自身の赤ちゃんだったら、ちゃんと関われたんじゃないか。
そんなふうに思ってました。

なんでできないんだろう。

 

そんなふうに罪悪感を感じたりもしたけど、
すごい無理をしないと、

普通の母娘だったらできるような日常的ないろんなことが、

できなかったんです。


学童保育に迎えに行くときに
娘は自分よりも学童の先生のほうが慣れてるから、
私が迎えに行くのが嫌なんだろうなと感じて。
それで行くのが遅くなっていきました。
わたしと一緒に家にいるより、学童保育のほうがいいだろうなと思って。

ずっとわたしが迎えにいくと、
娘とパパの時間がなくなるから、
なるべく行ってあげてと夫に言ったら、
わたしが行きたくないのが伝わったのか、夫とケンカになったり。

娘のママ友ともわたしより夫のほうが仲がよくて、
集まりにも、私が行ったら娘が嫌がるんんじゃないかと思って行けなくなったり。

それじゃあダメだと思って、

がんばって学童に迎えに行ったら
自分がすごくイライラしてくる。

無理して行くとイライラするし
行かないとまわりから色々言われてるぞ、と夫に言われる。

でも体が動かなかったんです。


娘が大きくなるにつれて、娘も変わって行きました。
小学校を離れたら、ママ友との付き合いが変わったり
学童の迎えもなくなって、

楽になる部分もあったのかなぁ。

最近、娘といるときに
普通にすごい楽だなぁと思ったんですよね。
全然無理せずに一緒にいられる。

それで、あぁ、今まで無理してたんだと感じました。
時間が解決する問題だったのかなぁとも思います。



わたしは子供に慣れてなくて。
すごい面倒見がよくて、一緒に過ごすのが上手なひともいるから、
自分が母親になって申し訳ないなぁと思ってました。
わたしがもっと心を開いて、
いっつもハグしたりとかできてたらよかった。

そんなふうに接してあげれたら、よかった。

 

 

 

私が夫との間にこどもがほしかった理由に

こどもが来たら一気に家族なれると思ったからというのがあります。

娘との距離がすごい縮まると思ったんです。



そんな理由でこどもがほしいとか
なんて自分勝手だろうとも思ってました。

でも、

そんな時間をすごしてきて。

ようやく今、家族になった気がします。
良かったと思います。
もしもあの時、自分が妊娠してこどもが出来てたら、

いまの娘のことをもっと疎かにしてたかもしれないから。

赤ちゃんがいることを言い訳にして
かかわらなかった可能性もあるなぁと思って。
仕事がこんなに忙しくていっぱいいっぱいで家のこともしてないのに。
無理だったから赤ちゃんは来なかったのかなとも思うんですよね。


いなければいいのにって、すごい思ってた時期があって、
わたしの黒い日記帳はすごいことになってました。

いまでも
黒い部分が全くないわけじゃないし、
瞬間、イラッとしてちらっと思うこともあるけど。
そこも認めつつ。


昔は、いい面を見せようとしていい格好シイをしてたけど、
今は、素の自分を出せてるんです。

まえの私だったら、
自分の時間がなくて
夫婦の時間がなくて
娘と一緒にずっと家にいたらイライラしてるだろうに。
こうして落ち着いてるのが不思議なくらい。

自分の妊娠のためだったけど、

やっぱり、体を整えてきてよかったって思います。

 

 

 

小学校の途中から一緒に暮らしはじめて

月曜日が高校の入学式でした。

お友達ができるかなぁとかずっと心配で。

お母さんってこんな気持なんだって思いました。

高校の入学式の日、帰ってきたらすごい暗い顔してて

すごく心配しました。

 

 

だったら、

いまの自分の望みは、いまの娘とちゃんと関わりたいってことなのかなと思った。

 

自分でもいまの感情がよくわからなかったりもします。

でもいまは、

3人で家族になれたなぁって思うんです。

 

学童に迎えに行くことが苦痛だったり、

ちゃんと接することができない自分を責めたり、

黒い日記帳がすごいことになったり、

 

いろんなことがあって、いま3人で家族になれた。

そう言われるHさんが、すごいなって思う。

妊活で相談に来られるようになって、Hさんとは2年のお付き合いになる。
最初は夫婦関係が冷え込んで、口も聞かない夫婦冷戦状態で、それは漢方相談にくる前の段階じゃなかろうか?

どうしよう^^;

と思ってたのが、漢方や薬膳茶で体を整えて、心を見つめて。
今では

「しあわせです」

と明るく答えられるようになった。
それだけでも、よかったって思ってたけど。
こうして義理の娘さんのことについてしっかりとお話を聞いたのは初めてで。

かつては、

「いなければいいのに」

とさえ思っていたなんて聞いたのも初めてだったけど、自分の黒い気持ちさえも受け入れて、

家族になれた。

と話される彼女が、なんだかとてもすてきに見えた。

(文責:漢方薬剤師 堀江昭佳 イラスト:中尾早乙里

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