排卵ってつまりどういうこと?卵子はどこで精子と出会う?

  • 不妊治療・婦人科

妊娠するには、卵子と精子が出会い、精子が卵子内に入って受精することが必須になります。

卵巣から卵子が飛び出すことを排卵と言いますが、どうやって排卵が起こるかご存知でしょうか?定期的に毎月1回排卵が起こるのはなぜでしょうか?

この記事では、

  • 排卵のメカニズム
  • 卵子と精子が出会う場所
  • 排卵と生理の関係
  • 排卵に影響する因子

について、ひとつずつ詳しくお話ししてきたいと思います。

 

排卵ってなに?

排卵は、卵巣から卵管に向かって、卵子が移動することをいいます。

排卵について詳しくいうと、卵巣の中で成熟した卵胞(卵子が入った袋)が、卵巣の表面で破裂して腹腔内(お腹の中の空間)に飛び出し、卵管采(らんかんさい)と呼ばれるイソギンチャクのような形をした卵管の端にキャッチされ、卵管に入ることをいいます。

この排卵は、女性本人の意思とは関係なく起きます。排卵はだいたい月1回起きますが、その周期の調整は、卵巣が単独でしているのではなく、脳から分泌されるさまざまなホルモンが関係しています。

性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)は、卵胞刺激ホルモン(FSH)黄体形成ホルモン(LH)という2つの性腺刺激ホルモンを調節する役割を持つホルモンです。脳の視床下部という場所から性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)が分泌され、同じ脳内にある下垂体に作用し、この2つの性腺刺激ホルモンの分泌を促します。

 

分泌された2つの性腺刺激ホルモンは、卵巣への指令を出す役割があります。生理開始日から排卵するまでは卵胞刺激ホルモンが、排卵時期から生理前は黄体刺激ホルモンがメインとなって働きます。

性腺刺激ホルモンの刺激を受けた卵巣は、時期によって2つの女性ホルモンを調整しながら分泌します。エストロゲンプロゲステロンという、役割の違うこの2つの女性ホルモンは、女性のからだで重要なホルモンになります。

 

卵巣では、卵胞が成熟する時期にはエストロゲンを分泌し、排卵後には、卵子が飛び出して残された卵胞が黄体に変化して、エストロゲンとプロゲステロンを分泌します。

分泌された女性ホルモンは、子宮の内膜に作用して生理周期を調節したり、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)や卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)の分泌の調整にも関係しています。

このように女性の脳と卵巣と子宮は、ホルモンによって密接に関連しています。排卵が起こるには、これだけの緻密なホルモンバランスが必要です。女性のからだは繊細で神秘的ですね。

 

卵子と精子が出会うのはどこ?

精子と卵子が出会う場所はどこかご存知でしょうか?子宮と思われている方もいるかもしれませんが、その答えは「卵管」です。受精は卵管で行われ、子宮は赤ちゃんが育つ場所になります。

排卵された卵子は、寿命が約10時間と非常に短く、その間に精子と出会わなければ、分解・吸収されることになります。卵子が卵管から子宮に移動するのに数日かかるので、もし精子と出会う場所が子宮だったら、その移動の間に卵子が寿命を迎えてしまいます。

卵子に比べて精子は生存期間が長く、女性の体内での寿命は約72時間です。射精された精子は膣から子宮へ移動し、さらに卵管を通って卵子に出会います。排卵された卵子が寿命を迎える前に、受精するだけの元気さがある精子が卵管にたどり着ければ、受精に結びつく可能性が高くなります。

 

しかし、受精=妊娠ではありません。受精できた後、受精卵が子宮までたどり着くという次のハードルがあります。

もし、卵管がなんらかの理由で癒着や閉塞を起こしていた場合、受精卵が卵管内で発育してしまう場合があります。この状態を異所性妊娠(子宮外妊娠)と言いますが、卵管破裂の危険があるため、手術が必要になる場合もあります。子宮外妊娠は、妊娠の継続ができないため、その妊娠を諦めることになります。

卵管で元気な状態の卵子と精子が出会い、無事に卵管を通って、子宮内膜に着床することは、奇跡としか言いようがありません。

 

排卵と生理の関係は?

生理が起こるには排卵が必須になります。排卵のない状態での性器からの出血は、生理ではなく、不正出血と呼ばれます。

排卵することで、卵巣から女性ホルモンが分泌され、子宮にさまざまな変化をもたらします。女性ホルモンが作用することで子宮の内膜は、厚みを増したり、はがれたりを周期的に繰り返します。そしてはがれた内膜は、経血として膣から外に排出されます。これが生理と呼ばれる現象です。

ホルモンバランスの乱れなどによって排卵がない場合、子宮内膜が薄いままだったり、異常に厚くなったりして、正常な生理が起こりません。

生理周期を安定させるには、排卵を含めた卵巣の働きが大きなポイントになります。

 

排卵に影響する因子は?

排卵は、脳や卵巣などから分泌される各種ホルモンが作り出す、緻密なバランスの上に成り立っています。このバランスのどこか1箇所がでも異常があれば、排卵が起こらず、生理が不規則になったり、止まってしまうことになります。

下記のような要因がその引き金になることがあります。改善できるものは積極的に改善しましょう。

■急激なダイエット

■過度な肥満

■引越しや入学、就職などの環境の変化

■学校や職場、家庭などのストレス

■働きすぎ、過労

■激しいスポーツ

■夜勤や交代勤務などの不規則な生活

 

また、以下のような病気によって排卵が障害される場合があります。


無排卵周期症

生理のような出血があるものの排卵していない状態で、脳からのホルモンの分泌が安定しないことが原因の場合が多いです。思春期や更年期によく起こりますが、中には多嚢胞性卵巣症候群など別の病気が原因の場合もあります。

 

多嚢胞性卵巣症候群

定期的な排卵が起こらない原因不明の病気で、

①生理不順
②卵巣に小さな嚢胞(卵胞)がたくさんある
③ホルモンの値がアンバランス

この3つが揃うと診断されます。無排卵周期症の原因になる病気です。

 

高プロラクチン血症

脳の下垂体の異常によって、プロラクチンというホルモンが過剰になる病気です。プロラクチンは乳汁を分泌したり、性腺の機能低下を起こすホルモンで、通常は妊娠・出産によって分泌が盛んになります。脳腫瘍や薬剤、甲状腺機能低下症などによってこのプロラクチンが過剰になり、無排卵を引き起こす場合があります。

 

早発閉経(早発卵巣不全)

40歳未満で卵巣機能が低下し、生理が3ヶ月以上ない状態です。卵巣の機能が完全に停止するタイプと、低い頻度ですが排卵が起こるタイプがあります。

 

神経性食欲不振症

拒食症とも呼ばれる病気で、痩せようとすることで精神の安定を測り、過度な食事制限や過食を繰り返したり、吐き戻したりする行動がみられます。身体が飢餓状態に陥るため、ホルモンバランスが崩れ、排卵が起きなくなります。

 

甲状腺機能低下症

血中の甲状腺ホルモンが低下した状態で、排卵や生理に影響することがあります。

 

その他

上記のほか、糖尿病や副腎・甲状腺の病気、脳腫瘍などが排卵に影響する場合があります。

 

【まとめ】

排卵は妊娠するのに必須なだけでなく、生理周期の軸となり、正常なホルモンバランスを維持するのに大切な現象です。女性のホルモンバランスは非常に緻密に成り立っているので、日々の生活で無理は禁物です。

ホルモンバランスが崩れた状態が続くと、無排卵周期症などの排卵が起こらない状態が続いたり、不妊症や早期閉経に繋がる危険性もあります。

できるだけ、無理はせず、自分のからだを労わってあげましょう。

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<出典・参照元>

日本子宮内膜症協会

厚生労働省 HUMAN+ 妊娠したいと思ったら

日本生殖医学会 Q4.不妊症の原因にはどういうものがありますか?

日本内分泌学会 多嚢胞性卵巣症候群

難病情報センター 下垂体性PRL分泌亢進症

難病情報センター 早発卵巣不全