初産年齢の平均が30歳を超え、35歳以上の高齢出産は珍しいことではなくなりました。
実際、産婦人科に通う女性の多くは30〜40代で、とくにアラフォー世代の初産婦が増えているといいます。
年齢を重ねてからの妊娠・出産は、これまでの人生経験・豊富な知識・経済力など、“人としての成熟・ゆとり”が大きなメリットです。
その一方で、出産年齢が高くなるほど異常妊娠や流産の確率が高くなるのも事実。
今回は、40歳以上の女性に起こりやすい異常妊娠のひとつ「胞状奇胎」についてのお話です。
胞状奇胎とは?
胞状奇胎とは、胎盤のもとになる絨毛が正常に育たず、嚢胞化して増殖する異常妊娠をいいます。「嚢胞」は、とても小さなぶどうがたくさんある状態をイメージしていただくとよいでしょう(このため、胞状奇胎のことを俗に“ぶどう子”と呼んだりします)。
すべての絨毛が異常であるものを「全胞状奇胎」、一部正常な絨毛が存在するものを「部分胞状奇胎」と区別します。
いずれのタイプも受精の異常が原因で、何らかの理由で核を持たない卵子が受精したり、染色体の異常が生じたりすることで起こります。
卵子の変質が生じやすい40歳以上の高齢妊娠や、胞状奇胎を患ったことのある女性に起こりやすい病気です。
自覚症状
妊娠初期からの不正出血、お腹や腰の違和感・鈍痛、つわり症状が典型的。
部分胞状奇胎の場合、このような典型的症状が見られないこともある。
他覚症状
妊娠週数に対して子宮が大きく柔らかいことが多い。
検査・診断
尿・血液のhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)値が上昇する。
超音波検査では、子宮内に多数の嚢胞像を確認する。
肉眼の診察だけでは病気を見落とす可能性があるため、必ず病理検査を行って診断する。
妊娠6週以前の早期妊娠では絨毛が嚢胞化していないことや、hCGが高値になるとは限らないため診断が難しい。そのようなケースでは免疫組織学的検査や染色体検査を行うこともある。
治療
全身麻酔下で、子宮内の胞状奇胎をすべて取り出す「子宮内容除去術」を行う。
取り出された奇胎を病理検査に出し、その結果をもってはじめて「全胞状奇胎」もしくは「部分胞状奇胎」と診断される。
予後
全胞状奇胎の10〜20%で侵入奇胎(子宮筋層・血管へ胞状奇胎が侵入、転移)に、2〜3%で絨毛がんになる可能性がある。部分胞状奇胎でも、このような続発症がごくまれに見られることがある。
こんな症状に注意!初期症状は「茶おり」
多くの妊婦さんを不安にする「茶おり」。妊娠初期によく見られ、「流産するのでは?」と不安になる症状のひとつです。
茶おりについて検索すると、多くのサイトで「一時的なもので、ほかに症状がなければ様子をみてよい」と書かれています。
茶おりの主な原因として、
- お腹の中で赤ちゃんが成長する際に、毛細血管が切れて出血する
- 絨毛下血腫(子宮内の絨毛に血液がたまる)
- 切迫流産による出血
- 異所性妊娠(子宮外妊娠)による出血
これらのことが考えられます。
様子を見てよいものから、切迫流産・異所性妊娠など母子の命に関わるものまでさまざまです。
妊娠初期に茶おりがあっても無事出産したという女性は多いのですが、楽観視するのはよくありません。
胞状奇胎の初期症状である不正出血は、はじめのうちはごく少量のため「茶色」や「うすピンク」のおりものとして確認されることがほとんどです(不正出血が見られないケースもあります)。
茶おりが出て、止まって、しばらく経ってからまた出て……と断続的な出血が続き、出血量が増えてくると明らかに「血液」の色になってきます。
同時に、お腹や腰に痛みというほどではない違和感(お腹の張り・重苦しい・鈍痛のように感じることも)やつわり症状、全胞状奇胎では高血圧になることもあります。
とくに全胞状奇胎の場合、hCGが急激に高くなるため、吐き気・食欲低下・体のだるさといったつわり症状が出やすいのも特徴です。
茶おりが少量で体調の変化もあまりない状態だと、「もう少し様子をみてみよう」「これくらいで病院に行っていいの?」と受診の判断に迷うこともあると思いますが、少しでも不安に感じることがあれば早めに受診することをおすすめします。
胞状奇胎の治療は?その後の妊娠は可能?
超音波検査や血液検査で胞状奇胎が疑われると、治療として「子宮内容除去術」が行われます。
子宮内部の様子を超音波で確認しながら、膣から子宮内部へ手術器具を挿入し、奇胎を含むすべての内容物を取り出します。手術は全身麻酔で行われるので意識はなく、痛みもありません。
奇胎の取り残しを防ぐため、初回手術の1週間後に2回目の子宮内容除去術が行われます。手術方法は初回と同様で、1泊入院もしくは日帰り手術となります。
手術後は定期的に受診して、hCG値の測定・内診・必要に応じて画像検査(CT・レントゲン)などのフォローアップ(医師による診察・管理)を受けます。
hCGが順調に下がり、手術から24週後までに正常値以下に戻ればひとまず安心ですが、その後も3〜4年は定期的なフォローアップを受ける必要があります。
気になる妊娠については、hCGが正常値以下の状態が3〜6ヶ月以上続けば許可されます(医師によって妊娠許可の時期が多少異なります)。
残念ながら、胞状奇胎の発生は予防できません。
しかし、手術後の定期的なフォローアップによって予後の異常を早期発見し、次の妊娠に向けて準備することが可能です。
【まとめ】
胞状奇胎は、妊娠が継続できなかった悲しみ・治療や予後に対する不安など、非常につらい経験となります。
妊娠がわかって喜んだのもつかの間、不正出血による不安、その後の流産宣告、自分を責める気持ち、心の整理がつかないまま行われる手術など、短期間のうちにさまざまな出来事が起こるのです。
それでも、支えてくれる家族・日々の生活・時間の経過の中で、徐々に癒やされる日がやってくるでしょう。時間が経てば、きっとまた妊娠できるという希望もあります。
そして、ほかの病気と同様に治療は早いに越したことはありません。
高齢妊娠の方はとくに、妊娠初期の茶おりを軽く見ず、「あれ?」と思ったら早めに受診することをおすすめします。
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<出典・参照元>
平成27年 人口動態統計月報年計(概数)の概況(厚生労働省)
病気がみえる vol.9 婦人科・乳腺外科 第4版(メディックメディア)
臨床婦人科産科 第66巻 第8号 絨毛性疾患アップデート「取扱い規約」改定をふまえて(医学書院)