月に一度の生理は、女性が心身ともに健康な証であり、妊娠するために欠かせないものです。
しかし、歴史をたどると生理・生理中の女性を「穢れ(けがれ)」とみなし、忌み嫌い、遠ざけてきた過去があります。
今回は、「生理用品の社会史(田中ひかる 著 角川文庫)」を参考に、「生理」や「女性」が社会でどのように扱われてきたのかを考えてみたいと思います。
現代の「生理」の捉え方
ある調査によると、「家族や恋人など女性に頼まれて生理用ナプキンを購入した経験がある」という男性は4.2%、その半数近くが「抵抗なく買える」と回答しています。
生理が昔に比べてオープンになったと感じる一方で、世界的な調査では「同性のクラスメイトや同僚と生理について気軽に話せる」という女性の割合は、日本は190カ国中ワースト1位という結果です。
テレビをつければ生理用品のCMが流れ、親しい男性にナプキンの購入をお願いできる女性がいる現代でも、大多数の女性にとって生理というのは「恥ずかしさ」を伴うものであることが伺えます。
たしかに、生理用品の購入時に別の紙袋や不透明なレジ袋に入れるサービスは、パッケージを包み隠すことで消費者の「恥ずかしさ」に配慮しているといえるでしょう。
トイレに行く際も、生理用ナプキンをこっそりとポケットやポーチにしまって人目に触れないようにします。
「女性としてのエチケット」と言われればばそうなのでしょうが、生理用品を隠さなければならない風潮があるかぎり、「生理について気軽に話す」ことは難しいのかもしれません。
そんな中、今年の6月に生理用品の国内シェアNo.1であるソフィ(ユニ・チャーム株式会社)が「#NoBagForMe」プロジェクトを始動しました。
このプロジェクトでは、「生理・生理用品について気兼ねなく話せる世の中の実現」「自分に合った生理ケア用品を選び、自分らしく生きられる社会の実現」という目的のもと、メーカーとSNSで人気のインフルエンサーが協力し、見た目にもおしゃれなパッケージデザインの開発や生理にまつわる発信を行っていくそうです。
現代は初潮の低年齢化・晩婚・少子化によって、女性の生涯月経回数が戦前の約10倍ほどに増えています。
女性が長い期間をともにする生理・生理用品について、今後さらに大きな関心が寄せられるのは間違いなさそうです。
なぜ?生理のタブー視
生理というのは女性の体が成熟し、女性ホルモンが正常に分泌されている証拠です。
また、生理があるからこそ妊娠が可能であり、子孫を残すことができます。
つまり、生理は「人類にとってなくてはならないというもの」であって、本来は隠したり恥ずかしがったりする必要は全くありません。
むしろ有り難く、素晴らしいものとして扱われてもいいくらいです。
ではなぜ、生理がタブー視されるようになったのでしょう?
今では考えられないことですが、日本にはかつて生理や生理中の女性を「穢れ」として扱い、隔離するための「月経小屋」が存在しました。生理中の数日間、普段生活する家とは別の小屋へ女性を遠ざけていたのです。
ほかにも、食事を作る際に同じ火を使わせない・包丁を貸してはならない・船にのせてはいけない・漁具に触らせてはいけない……など、細かな決まりごとがありました。
その理由は、血が感染症や死を連想させ、恐ろしいものであると信じられていたのがひとつ。
そしてもうひとつは、「民衆統治のため」でした。
生理のタブー視は平安時代にまでさかのぼり、「穢れ」の役割を女性(弱者)に負わせ、天皇・宮廷を「清いもの」として強調するためだったといわれています。
「女性=穢れ」という構図は、宮廷祭祀・後に導入される家父長制において女性を抑圧するのに都合がよかったのです。
しかし、この「生理=穢れ」の思想は明治初期に廃止されます。
差別的な思想が廃止されてバンザイ!と言いたいところですが、ここにも生理や女性に対する「政治的利用」が隠れています。
これまでと180度変わって、なぜ生理のタブー視が撤回されたのか?
それは「人権尊重」という以前に、「富国強兵」を実現するための手段として生理が利用されるようになったからです。
西洋医学に基づく生理の概念が広がると、「生理は健康な子どもを多く産ませるために必要なもの」と考えられるようになり、徹底した女性の生理教育と母体管理が行われるようになりました。
生理のタブー視も撤回も、その時代の政治的背景と深く関わっていたという事実を知ると、なんとも言えない複雑な気持ちになります。
そして、長い歴史の中で根付いた「隠すべきもの」のという生理のイメージは根深く、今日に至っています。
日本ではじめての生理用ナプキン発売
さて、今では日常的に使用されている生理用ナプキンですが、日本ではじめて生理用ナプキンが発売されたのは1961年のことです。
この40年前にアメリカではすでに生理用ナプキンが発売され、アメリカ製のものを使っている日本人女性も一部存在しました。
ところが日本では「穢れ」の意識が根深く、母娘・姉妹同士であっても生理を話題にすることはタブーとされていたため、生理にまつわる不便さ・不快さが問題に上がることはほとんどなく、生理用品の普及が遅れたといわれています。
実際にどれくらい不便だったかというと、日本で生理用ナプキンが発売される以前は、布や脱脂綿を膣に詰める・あてることで経血を吸収させていました。
しかも、「月経帯」と呼ばれるふんどしのようなものや、股の部分がゴムになっている「ゴム引きパンツ」を使用していたので、脱脂綿の安定性がなく転がり落ちたり、経血が漏れて服を汚したり、ゴムで蒸れるなどの不具合が当然のようにあったといいます。
そのような中で登場したナプキンは、多くの女性を生理にまつわる不便さ・不快感・不安から解放し、のびのびと活動できるようにしました。
当時は高度経済成長期の真っ只中。女性が積極的に社会に出ていく時代と重なったこともあり、日本初の生理用ナプキンは多くの女性に歓迎されたのです
ここ数年は布ナプキンも人気
現在では使い捨てナプキンによるかぶれや環境問題などもあり、布ナプキンの人気が高まっています。
布ナプキンのメリットは天然素材で通気性に優れているのはもちろん、洗ってくり返し使用できるためゴミの削減になることです。
「布ナプキンの使用によって生理痛が和らぐ」という研究報告もありますが、これに関する医学的根拠は不明です。
しかし、吸収性に優れた使い捨てナプキンと違い、布ナプキンは経血でいっぱいになる前にこまめに取り替える必要があるため、「ナプキンにとどまった経血で体が冷える」ということが減り生理痛の緩和につながるという説があります。
さらに、使い捨てナプキンの場合は経血をまじまじと見ることなくポイッと捨ててしまいますが、布ナプキンの場合はそうもいきません。「洗う」という行為によって嫌でも自分の経血をしっかりと見ることになるため、「生理をより身近に感じられる」という声もあります。
ただ、外出中に布ナプキン交換した場合は持ち帰る必要があることや、一般的な使い捨てナプキンに比べると長時間使用に対する安心感という点で劣ります。
外回りの仕事や、長時間トイレに行けないような仕事をしている女性にとっては大変かもしれません。
そのような場合は布ナプキンだけにこだわらず、状況に応じて使い捨てナプキンやタンポンを併用するなど工夫されるといいと思います。
【まとめ】
「生理用品の社会史(田中ひかる 著 角川文庫)」は日本の生理用品の歴史をたどるだけでなく、女性がこれまでに背負ってきた苦労とそこから生まれた知恵を知り、その時代ごとの生理観を通して時代背景が見えてくる大変興味深い一冊です。
興味を持った方はぜひ読んでみてください。
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<出典・参照元>
生理用品の社会史(田中ひかる 著 角川文庫)