今回は不妊症の原因の5〜10%を占めるといわれる「子宮筋腫」のお話です。
子宮筋腫といっても、妊娠に影響するもの・しないもの、症状、治療方針までさまざまです。
この記事では「妊娠に影響する子宮筋腫」について、その治療法や注意点をわかりやすく説明します。子宮筋腫の治療で悩んでいる方の参考になれば幸いです。
子宮筋腫ってどんな病気?妊娠への影響は?
子宮筋腫は良性の腫瘍が子宮筋層に発生し、女性ホルモンによって大きくなる病気です。女性の腫瘍性の病気でもっとも多く、30代以上の女性の2〜3割が「筋腫もち」といわれています。
筋腫のできる部位や大きさはさまざまですが、子宮の内側に向かって大きくなるタイプの筋腫は月経過多・貧血・痛みなどの症状を引き起こすことがあります。
また、子宮や卵管の入り口を圧迫することで血流や精子の進入が障害される、子宮の内側が変形することで受精卵の着床が障害されるなど、不妊症や習慣性流産の原因にもなります。
とくに「子宮粘膜下筋腫」といって子宮の内側に変形をきたすタイプは、妊娠中も流産・早産・胎盤早期剥離・胎位異常・前期破水などのトラブルを起こしやすく、帝王切開になる確率が高くなります。
子宮筋腫の治療にはどんな方法がある?
子宮筋腫は女性ホルモンの影響を受けるため、女性ホルモンの分泌が減り閉経を迎えると小さくなります。
そのため閉経に近い年齢の場合、症状がなければ積極的な治療はしないか、症状が軽いものであれば薬で女性ホルモンをコントロールし、閉経まで逃げ切ることが可能です。
一方で若い女性の場合、閉経までの長い期間を薬だけでしのぐには限界があります。
症状が強く出ている場合や、将来の妊娠を考えて手術が検討されることもあります。
ここからは、子宮筋腫の治療についてひとつずつ見ていきましょう。
薬物療法
GnRHアゴニストによる偽閉経療法が一般的です。薬によって閉経と同じレベルまで女性ホルモンの分泌を下げることで、筋腫の増大を抑え症状を軽くします。
副作用として、ほてり・頭痛・肩こりなど更年期様の症状が見られます。
また、女性ホルモンの減少によって骨がもろくなる「骨粗鬆症」の危険性もあるため、治療中は慎重な経過観察が必要です。
偽閉経療法では長期にわたる体への影響を避けるため、半年以上続く治療はできないことになっています。
薬の投与をやめると再び筋腫が大きくなる点も、この治療のデメリットです。
一方で、偽閉経療法は手術前に筋腫を小さくするために行われることもあり、筋腫が小さくなれば手術時間が短縮でき、出血量も少なくなるなどのメリットがあります。
手術療法
1.子宮全摘術
妊娠の希望がなく、根治を望む場合に選択される手術法です。
近年は、たとえ妊娠の希望がなくても子宮を失うことによる精神的ショック、ボディイメージの変化などから子宮温存を選択する方が増えています。
2.筋腫核出術
筋腫のみを取り除く手術です。
ごく小さな粘膜下筋腫であれば、膣から子宮鏡を入れてお腹を傷つけずに筋腫を取り除くことができます。
子宮鏡で取り除けない大きさ・部位にある筋腫は、腹腔鏡もしくは開腹手術になります。
腹腔鏡手術はお腹に小さな穴を数箇所あけ、そこから手術用の器具を入れてモニターを見ながら手術する方法です。開腹手術に比べて傷が小さく、手術後の癒着(手術した部位や卵巣の周囲がくっついてしまうこと)は開腹手術の半分以下といわれています。
手術後は妊娠による子宮破裂を予防するため、子宮の傷が完全に治るまでの数ヶ月間は避妊が必要です。また、分娩のトラブルを防ぐため多くの場合は帝王切開となります。
子宮動脈塞栓術
子宮筋腫は血流に乗って運ばれる栄養やホルモンで大きくなります。
子宮動脈塞栓術は、栄養を運ぶ子宮動脈に「塞栓物質」を注入し、子宮筋腫への血流を遮断することで筋腫が大きくなるのを抑える治療法です。
・子宮筋腫に対する治療法のフローチャート
手術の適応になる子宮筋腫はどんなタイプ?
筋腫のタイプ・大きさ・症状の程度・女性の年齢・妊娠の希望などを考慮して治療方針を決めますが、とくに「妊娠の希望があるか」というのは治療方針を決めるうえで重要なポイントです。
妊娠を望む場合、子宮の内側が変形して着床障害の原因になる「子宮粘膜下筋腫」や「筋層内筋腫」が手術の適応となります。
また、妊娠とは関係なく筋腫による症状で苦しんでいる場合や、症状はなくても10cmを超える巨大な筋腫も手術の適応です。
手術で子宮筋腫を取り除くことによって、
- つらい症状から解放されQOLが上がる
- 将来の不妊のリスク・現在の不妊の原因を取り除くことができる
- 筋腫があることによる妊娠中のトラブル(流産・早産・早期胎盤剥離など)を予防できる
このようなメリットがあります。
また、女性の年齢や卵巣予備能(卵巣に卵子がどの程度残っているか)によっては、手術前に胚凍結をしておくという選択もあります。
手術前の胚凍結について
女性が高年齢で不妊症という場合、子宮筋腫の治療を優先するか不妊治療を優先するか悩むことがあります。
子宮筋腫の手術を行う場合、手術前に薬物療法で筋腫を小さくし、さらに手術後も数ヶ月の避妊期間を要します。つまり、子宮筋腫の治療を優先した場合、妊娠まで約1年ほどのブランクが生じてしまうのです。
高齢女性の場合、不妊治療は時間との闘いでもありますから、卵子のエイジングを考えると「たかが1年」とあなどることはできません。
このような問題を解決するために、手術前に採卵・体外受精をして胚凍結を行い、手術後の避妊期間が過ぎた後に胚移植を行う方法があります。
とくに35歳以上で抗ミュラー管ホルモン値が低い場合、残された貴重な卵子と妊娠のチャンスを考慮して、前向きに胚凍結を考えたほうがよいでしょう。
【まとめ】
近年の晩婚化によって、子宮筋腫をもつ妊娠希望女性が増えています。
子宮筋腫は妊娠に影響する危険をはらんでいることや、「性」のシンボルである子宮の病気ということもあり、女性にとってはショッキングな病気のひとつでしょう。
しかし、医療の進歩によって治療に伴う体へのダメージは最小限に抑えられるようになりました。
気になる妊娠率も、腹腔鏡手術による子宮筋腫核出術後の自然妊娠率は1年で30%、2年以内で60%ともいわれています。
信頼できる医療機関で、ご自身の納得できる治療を選択されることを願っています。
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堀江昭佳Twitter
<出典・参照元>
生殖医療の必修知識2017(一般社団法人 日本生殖医学会編)
データから考える不妊症・不育症治療(竹田省・田中温・黒田恵司 メジカルビュー社)