繰り返す流産は何が原因?反復・習慣性流産の治療と心のケア

  • 不妊治療・婦人科

妊娠が判明し喜びに包まれたのも束の間、妊娠が確認された妊婦のうち約10〜20%が流産に至り、なかには流産を繰り返す「反復・習慣性流産」という病態もあります。
流産を繰り返すことで心身ともに大きなダメージを受けるばかりか、次の妊娠が怖くなってしまうケースもあり、女性だけでなくカップルにとって深刻な問題です。

この記事では、
・繰り返す流産は何が原因なのか
・有効な治療法はあるのか
・繰り返す流産によって、妊娠成功率は下がるのか
・傷ついた心とどう向き合うか

という疑問に対して詳しく解説しますので、繰り返す流産でお悩みの方はぜひお読みください。

注:習慣性流産は、産婦人科診療ガイドラインでの記述など正式な医学用語では「習慣流産」といいます。
本コラムでは、一般に広く使われる習慣性流産という言葉で記述しています。
ご了承下さい。

繰り返す流産は何が原因?反復・習慣性流産について

流産とは、妊娠22週以前に妊娠が終わる状態の総称です。流産の多くが胎児の染色体異常によって起こり、母体が原因となることはほとんどありません。

流産のなかでも、2回の流産を反復流産・3回以上の流産を習慣性流産と呼び、反復流産は約4〜5%、習慣性流産は約1%の確率で起こります。
このように流産を複数回繰り返すケースでは、両親に何らかの病気が潜んでいる可能性があり、原因を調べるには医療機関での精密検査が必要です。

反復・習慣性流産のリスク因子には、次のようなものがあります。

①夫婦染色体異常
夫婦どちらか、もしくは両方に染色体異常が認められる場合があります。

②子宮形態異常
子宮の形によって着床障害が起こったり、胎児・胎盤を圧迫したりすることで流産になるリスクがあります。

③内分泌異常
甲状腺機能低下・亢進症、糖尿病などの病気は流産のリスクを高めます。

④凝固異常
抗リン脂質抗体症候群やプロテインS/C欠乏症により、全身の血液が固まりやすくなり、血栓が生じることで胎盤の血流障害・炎症を引き起こし、流産になるリスクがあります。

このようにリスク因子が特定されれば、その病態に応じた治療を行うことが可能です。
しかし、精密検査の結果「何のリスク因子もない」というケースが約50%以上あり、そのようなケースでは「胎児の染色体異常が繰り返し起こっている可能性が高い」と判断され、有効な治療法は確立されていません。

また、これらのリスク因子とは別に、母親の高齢化も流産の確率を高める一つの要因です。
産婦人科診療ガイドラインによると、流産の確率は母親が20代の場合は10%であるのに対し、母親が40代では40%に上昇し「女性の加齢が最も重要な流産危険因子である」と明記されています。
これは、母体の高齢化に比例して、胎児の染色体異常の確率も高くなるためです。

反復・習慣性流産の治療法は?

精密検査で反復・習慣性流産のリスク因子が特定されると、その病態に応じた治療が行われますが、臨床的に有効であるといわれる治療法は次の3つです。
・アスピリン療法
・ヘパリン療法
・ステロイド療法

産婦人科診療ガイドラインによると、「原因が特定できない反復・習慣性流産に対しては、確立された治療がない」とされていますが、近年、原因不明の不育症に対する免疫グロブリン療法の臨床試験も行われています。

また、原因が特定できず無治療であるケースでも、反復流産の約80%、習慣性流産の約60〜70%の妊婦が次回妊娠継続が可能というデータもあり、多くの方が子供を授かっていることがわかります。

反復・習慣性流産になると妊娠成功率は下がるのか?

流産を繰り返すことで、大きな不安となるのが「次の妊娠も流産するのではないか」「出産できる確率が下がるのではないか」ということではないでしょうか。

結論を述べると、流産の回数が増えるに従って妊娠成功率は低下します。
5回までの反復・習慣性流産であれば次回妊娠が成功する確率は約50〜70%と好成績ですが、6回以上の習慣性流産になると妊娠成功率は20〜40%にまで下がります。

出典;国立研究開発法人 日本医療研究開発機構委託事業 不育ラボ

流産回数を重ねると妊娠成功率が低下するのは事実ですが、前述したように、3〜4回の習慣流産を経験していても60〜70%の女性が無治療で次回妊娠を成功させています。 データはあくまでも目安であるということを理解し、必要以上に悲観することのないようにしてください。

流産を経験すると、次の妊娠に不安を抱いてしまうのは自然な感情です。
不安や恐怖といったストレスが流産に影響する可能性もあるため、一人で抱え込まず、パートナーをはじめ信頼できる人に辛い気持ちを吐き出すことも大切です。

繰り返す流産でくじけそうな心とどう向き合うか

流産は辛く悲しい出来事です。
一度は授かった命を失う喪失感とともに、「自分のせいで・・・」と自責の念を抱いてしまう女性は非常に多く、そのような精神的ダメージにからパートナーとの関係不和に発展したり、恐怖心から妊娠をあきらめたりするケースもあります。

流産を経験した女性に高頻度で現れる「抑うつ」「不安障害」などの症状を予防するために、流産後は身も心も休ませることを最優先し、辛い感情に襲われたときは、その気持ちに蓋をせず吐き出してしまうことが大切です。

これは、信頼できる人にありのままの感情を吐き出すことで、流産という出来事やそれに伴う感情を整理し、次へと進む第一歩となるからです。

近年、「テンダー・ラビング・ケア(優しさに包まれるような精神的ケア)」という概念が提唱されています。原因不明の反復・習慣流産に対し、カウンセラーや産婦人科医がカウセリングや相談対応を行うというもので、これによってストレスが軽減し、次回妊娠の成功率が高まるというデータもあります。

また、流産による悲嘆の感情は、女性だけでなくパートナーも同様です。
お互いの感情を伝え合い、悲しみを共有することも流産を乗り越える重要なステップといえるでしょう。

流産を繰り返さないために、生活の中で気をつけてほしいこと

これまで西洋医学(現代医学)での治療を中心にお話ししてきましたが、ここからは東洋医学・漢方にできる流産予防についてお話ししましょう。

東洋医学では、血流を良くすることで子宮・卵巣に活力を与え、安全な妊娠・出産に導くとされています。
血流にはストレスと自律神経が大きく関係しており、「ストレスをためない」「自律神経のバランスを乱さない」ことが、流産を予防するためには非常に重要なのです。

血流を良くするために、日常生活でできることがあります。

・タバコ・アルコール摂取は避ける
・バランスの良い食事を心がける
・体を冷やさない
・十分な睡眠
・適度な運動
・不安や悩みを一人で抱え込まない(些細なことでも身近な人に話す)

これらは、すべて「心身にストレスをためない」生活習慣です。

ストレスによって自律神経のバランスが乱れると、交感神経優位(興奮した状態)が続き、血管の収縮・不眠・免疫力の低下・ストレスホルモンの分泌など心身に悪影響を及ぼします。
血流を良くするためには、副交感神経(休息・リラックスした状態)が働くような生活習慣を意識するようにしてください。

また、漢方の力で「妊娠するための体質改善」「流産を防ぐ体づくり」を同時に行うことも可能です。漢方薬は自然の生薬を使用し、副作用が少ないため妊活中・妊娠中の方でも安心して使用することができます。
興味のある方は、ぜひ一度、漢方専門薬局に相談してみてください。

【まとめ】

反復・習慣性流産の半数以上は「原因不明」であり、デリケートな問題でもあるため、女性が一人で抱え込んでしまいがちです。
この記事を読んでいる方の中にも、次の妊娠に希望を見出せないという方がいることでしょう。

流産を繰り返すことは辛い経験ですが、その反面、高い確率で再び妊娠・出産に至ることもわかっています。希望を失わず、今回ご紹介した内容をできることから実践されてはいかがでしょうか。

この記事が、流産で苦しんでいるという方・流産で苦しむ人の助けになりたいという方のお役に立てば幸いです。

もしも、流産をしてしまったという場合には、自分を責めずにまずはこちらをお読みください。→流産は決して特別なことではありません。

 

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<出典・参照元>
公益社団法人 日本産科婦人科学会より

反復・習慣流産(いわゆる「不育症」)の相談対応マニュアル

産婦人科診療ガイドラインー産科編2017 136P

産婦人科診療ガイドラインー産科編2017